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ベルギー王立美術館展と国際子ども図書館そしてエルミタージュ美術館展#5

 三部構成になっている大エルミタージュ美術館展の第2部は「人と自然の共生」というテーマ。なるほどと思ったのは、ヨース=デ=モンペル(2世)という17世紀フランドルの画家の『倒れたロバのいる山の風景』という絵の解説。絵自体は、山あいの風景を描いたいかにもフランドルの風景画って感じの絵。掲示してあったその絵の解説にこう書いてあった。「前景の茶、中景の緑、後景の青によって三等分している。これは初期フランドル派の風景画にみられる空間の奥行きを表現する方法である。」 ベルギー王立美術館展でフランドルの画家たちの作品をたくさん見た後だけに納得させられる説明。

 クロード=ロランの『リュコメデス王の宮殿に到着したオデュッセウス』(1653)は、『シバの女王の乗船』などを描いたいかにもロランぽい港の光景。アレッサンドロ=マニャスコという17世紀末のジェノヴァ生まれの画家の『盗賊たちの休息』(1710-1720)という絵は、古代ローマ遺跡の廃墟にたむろする武装集団とその随行者である女性や子ども、旅芸人たちを描いたもので、風俗的にはちょっと興味深い。

 ついで、ポンパドゥール夫人の肖像画などで知られるロココ時代のフランスの画家フランソワ=ブーシェ(1703~70)の風景画『湖のある風景』に目が留まる。青緑色で描かれた森や林の感じが、今日いっぱい見たフランドルの画家の風景画の感じと似ている。そういえばワトーの『シテール島への船出』とかもこんな感じだよな。ロココとフランドル。あんまり比べて考えたことなかったな。一つ発見した感じ。

 ギヨーム=ヴァン=デル=ヘキト(1817~91)というベルギーの画家の『ケニルワース城の廃墟』(1851)という絵がある。地味な絵。イギリス風の城の名前に聞き覚えがあると思って、表示されている解説を見たら、『アイヴァンホー』などで知られるウォルター=スコットの小説のタイトルになっているとの事。

 

 その隣りにウジェーヌ=フロマンタン(1820~76)というフランス人の『ナイルを渡る』(1851)という絵がある。フランスとエジプトといういかにもの組み合わせだよなと思って、掲示してある解説を見ると、このフロマンタンという人は画家としてだけでなく民族学者としての著作や小説などの著作もあるということ。ちょっと気になったのでこのフロマンタンという人にどういう著作があるのかと思って、家に戻って調べたら、オランダ・フランドル美術を論じた『昔日の巨匠たち』という美術史の作品も著しているとのこと。え、その本なら持ってるよ。法政大学出版のヴァージョンと岩波文庫版と両方。ぱらぱらと目を通しただけで、まだ読んでないけど。へぇ~、あの本の著者なんだ。

 さらに隣りには、ルートヴィヒ=クナウス(1829~1910)というドイツの画家の『野原の少女』という絵。この展覧会のカタログの表紙にもなっている明るい絵。ルノワールあたりの印象派の画家とかが描いてもよさそうな雰囲気の絵。あとで知ったのだが、ドストエフスキーのあの『罪と罰』fで殺される金貸しの部屋にはこの画家の絵の複製が飾れていたという描写があるらしい。

 

 少し先にギュスターヴ=ドレ(1832~83,仏)の『山の谷間』という風景画ある。この人は知ってる。聖書とかの挿絵で有名な人。でもこの人の油彩の風景画なんて初めて見たなぁ。

 さらにもう少し先には、たぶんこの展覧会の目玉の一つであるモネの『ジヴェルニーの干草』(1886)がある。睡蓮をテーマにして膨大な作品を遺したことが有名だが、干草の積み藁も彼がよくテーマに選んだものの一つで、今まで何パターンか見たことがある。モネは嫌いな画家じゃないんだけど、この作品はいまひとつピンとこない。青系の色があまりないからかなぁ。モネの青色って好きなんだけどなぁ。

 

  続いてやっぱりこれも今回の目玉でポスターとかに用いられているゴーギャンの『果実を持つ女』(1893)。ゴーギャンの1回目のタヒチ滞在の時期の作品。ゴーギャンはどちらかというとそれほど好みの画家とは言いがたいんだけど、この絵は好きなほうかも。

 そばにフランソワ=フラマン(1856~1923)というフランスの画家の『フォンテンブローの森でのナポレオン1世の狩り,1807年』(1898)という作品がある。この画家は、“ナポレオンの一生の諸段階”というテーマでこの絵を含めた5つの絵を描いているらしい。妙にツヤがあるような描写もちょっと面白いけど、それ以上にどういう意図で、この1898年という時期にナポレオンを描こうとしたのかいうことに興味を覚える。

  自称”最後の印象派”ボナールの絵が2点。その内、『汽車と荷船のある風景』(1909)。画面左下の少女が良いかも。彼らしいぼやっとした風景。

 対照的にシャープな画風で印象に残ったのが、少し先にあったフォーヴィズムの代表選手ヴラマンクの『丘の上の家の風景』(1925ca)。鋭く大胆な筆運びの跡、金色に見える丘の土の切り口、いかにも彼らしい。

 

 第2部の最後にあったのはアメリカのイラストレーター、ロックウェル=ケント(1882~1971)というアメリカのイラストレーターの『ダン・ウォードの干草、アイルランド』(1926-27)という作品。巨大な干草のバックにグラデーションの鮮やかな夕焼け。非常にポップな作品。こんな絵もエルミタージュにあるんだなぁ。

 それにしても、この2部の作品は、確かに人間と自然の関係を描いた絵かもしれないけど、ちょっと時代も画風も多様過ぎて、ちょっと散漫な感じ。しかもエルミタージュの名のもとにやる意味がよくわからないなぁ。ベルギー王立美術館展の方が、ベルギーの美術の一貫した流れに基づいた展示で良かっただけに対照的という印象を受ける。 

 

  


ベルギー王立美術館展と国際子ども図書館そしてエルミタージュ美術館展#4 [美術]

 ベルギー王立美術館展も国際子ども図書館も当たりだったのですっかり上機嫌。そーいえばおととい気管拡張剤の注射してもらったような……。まだ4時ちょっと前だからエルミータージュも行っておこうということで、東京都立美術館で開催されている大エルミタージュ美術館展へ。ただ自分でも理由はよくわからないけど、ちょっとやな予感がこの美術展にはしてたんだよね。都立美術館に近づくにつれてその予感はつのる。4時過ぎなのに観客数が結構多い。まぁそれは仕方ないとしても、態度がひどい。うるさいんだ。例えば1800年ごろのある絵の前でのオヤジたちの会話(かなり大声)。「このへんの時代に革命あったよな」(そりゃあったけどさぁ)「えーと1789年かな」(お、年代は合ってるじゃん)「あれって、ロシアだよな」(だからぁ)、「おう、そうだそうだ」(やれやれ)。あるいは、こんな若者の会話。「ピカソってなにじん?」「えー、知らなーい」「なんか南米系ぽくねぇ?」。こんな会話が耳に入ってきてなんか集中でしづらい。展覧会自体は三つのテーマにわかれた上で、そのテーマの中で時代順に並んでいる。第1部は「家庭の情景」がテーマ。作者不詳のヴェネツィア派の聖母子像から始まる。この絵はまぁまぁ。

 ついで同じヴェネツィア派のヴェネローゼ『エジプトへの逃避途上の休息』(1530年代)。ここからいきなり120年後にとんで17世紀後半のネーデルランド絵画が2枚、そしてロココっぽいフランスの画家の作品が2枚。なんか唐突だなぁ。確かに家族というか人間集団がテーマといえばそうなんだけど、時代も地域もとびとびなのでとらえにくい。7枚目にあったのが『漁師の家族』という絵。作者は?と思って表示をみるとルイ=ガレ。あれ?さっきベルギー王立で見た『芸術と自由』を描いたのと同じ人だ。へぇ。絵としては『芸術と自由』の方が好きだけど、力強い絵を描く人だなぁ。1848年の作品。1848年ね。しかし、同じベルギーの画家が描いた絵が、方やベルギー王立にそのまま納められ、方やロシアのエルミタージュに運ばれ、それが150年経って日本という島国の上野の隣接した美術館でニアミスするっていうのもある意味面白いよな。など考えつつ歩いていて次に目が留まったのが、ギュスターヴ=ド=ヨンゲという画家の『散歩の後』(1860年頃,下図)と『窓辺の貴婦人(変わりやすい天気)』(1863年頃)という2つの作品。どちらも物思いにふける若い女性を描いたものだけど、小説の一場面みたいな絵。作中の女性が何を考えているのか思わず想像させられてしまう。この人も知らない画家だなぁと思ってプロフィールをみるとベルギーの画家。うーんやっぱりベルギー侮るべからず。

 

 もう少し歩くとルノアールの『扇子を持つ女』(1880年)。ルノアールの絵って、時に鈍重に思えてどちらかというと苦手なんだけど、この絵はいいかも。ついでカルリーニというイタリアの画家の『ヴェネツィアを訪れるトルストイの家族』(1885年)という絵がある。ヴェネツィア好きの人間としてはテーマ的にはちょっと面白いんだけど……。ちなみにこのトルストイというのはあの文豪のトルストイではなさそう(トルストイ家というのは14世紀にさかのぼるロシアの名家で、革命(もちろんロシア革命のことね)前の最後のエルミータージュ美術館館長もドミトリー=イワノヴィッチ=トルストイ伯爵という人らしい)。

 さらに進んで目を惹いたのは、パスカル=アドルフ=ジャン・ダニャン=ブーヴレというフランスの画家の『ルーヴル美術館の若い水彩画家』(1881年)。画中にヴァトーの『シテール島の船出』が描かれているのもおもしろい。その絵を模写している女性が着てるロココ調の衣装の描写などもリアル。

 


ベルギー王立美術館展と国際子ども図書館そしてエルミタージュ美術館展#3 [美術]

 同行者と精養軒で食事をしつつ次の展開を考えた末、エルミタージュは後回しにして、明るいうちに国際子ども図書館に行くことに決める。 上野の国立博物館の裏手にある、この図書館は、ちょうど100年前の1906年(明治39年)に帝国図書館として建てられた明治期ルネサンス様式の建物で、国会図書館が出来てからはその支部館として使用されていた建物を2000年に、建築家・安藤忠雄の設計で改装して、国立初の児童書専門図書館としたもの。建物自体の歴史的価値が高いだけでなく、この安藤さんの改築も非常に評判が良いので、前から行ってみたいと思っていた所。「国際子ども図書館のWebを見てたら、ちょうど「北欧(!?)からのおくりもの;子どもの本のあゆみ」という展示会が開催されているようなので、これを見るついでに建物も見てこようというもくろみ。ちゃんとカメラも持ってきたし、自分の売場にあって買っておいた『Casa Brutus 安藤忠雄×旅総集編』もカバンの中に入っている。電車の中で予習がてら、子ども図書館についての箇所だけはしっかり読んできた。たった4ページ分だけど、「さぁ、探しにいこうよ!子ども図書館の10のひみつ」というタイトルの充実した記事。その紹介を読むだけでも面白そうな建物で好奇心をそそられる。この本持ってきて正解だったと悦に入る。さて、写真を交えていきます。

正面から見た子ども図書館。
安藤忠雄さん設計による
ガラスボックス
斜めに突き刺さっているところが
入り口。

エントランスから入ると階段ホールがある。強度規定と子どもの落下を保護する意味で強化ガラスで覆われてこそいるが、明治期の建物の手すり(アメリカカーネギー社のものだとか)がちゃんと使われている。この手すりのデザインが、柔らかい光と合わさって美しい空間となっている。



2階から見た階段ホール。扉の建具も明治期のもの。そしてこの扉には「10のひみつ」の一つが隠されている。

 

 

 

 

 

 

10の秘密の一つ。表にも裏にも「おす登あく」(オストアク)と書かれた真鍮製のドア押板が嵌め込まれている。趣きがあって楽しい。

建築家・安藤忠雄さんが今回の改修で採った手法は、いわば2本の巨大なガラスボックスを昔の建物に突き刺すというもの。入り口部分に斜めに1本。そして、建物の裏側全体を覆うように1本。この写真はその裏側に面した2階の廊下。右側が昔の建物の壁。左側が新たなガラスボックスの壁。そしてこの右側の壁にも……。

 

 

昔の外壁と窓。窓枠のアーチが良い。既存の建物のガラスも秘密の1つで、明治期からのものと復元のためにドイツから取り寄せたもの2種類が使われているとの事。夏に行った駒込の古河邸もそうだったけど、明治の洋館のガラスって厚みがあって少し向こうが歪んで見えたりして、それがまた味わい深くてよいんだよね。また白いレンガのような壁の部分も秘密の1つ。明治期の白釉薬がけレンガの部分と今回の修復でつくられたタイルの部分が混じっている。そんな違いを探して歩くのも楽しみのひとつ。

 

 

 

 

3階部分。増設されたガラスボックスの上から差し込む光が良い感じ。旧図書館建築100年記念の展示が並ぶ。

3階のガラスボックスが突き出た部分。宙に浮いてるような気分になる空間で昔の建物の外壁部分を触ることが出来る。写真のメダリオンも明治期のもので秘密の一つ。背伸びすれば(僕でも)触ることが出来る。こういう遊び心も楽しい。
 写真撮影不可のところもいくつかあって、閲覧室のレトロなシャンデリアとか、旧貴賓室の箱根細工のような床とか、目を惹く部分がいっぱい。こんな中で本を読み、建物の中を歩き回って探検したしたら楽しいだろうな。安藤忠雄さん本人の言葉によれば、「さまざまな意味での「新旧の対話」、これがこの建築のコンセプトです。古い建物の重みを大切にしながら、あえてその歴史に全く新しい現代性を対峙させる。その衝突のエネルギーが100年余りを生きてきた建物を、もう100年生きながらえさせる原動力となるのではないかと考えました。その「衝突」は、既存建物に突き刺さる2本のガラスボックスによって実現されます。既存部分についても忠実な再現を基本としながら、その空間の使われ方、プログラムについては新しい考え方で臨んでいます。」 個人的には、必ずしも安藤さんの建築全てが好きって訳じゃないんだけど(彼の得意なコンクリートうちっぱなしよりもっとレトロでトラッドな建物の方が好み)、この建物は本当に納得。とってもいい気持ちになって、3階の展示室で開催されていた「北欧からのおくりもの;子どもの本のあゆみ」をみる。デンマーク,ノルウェイ,フィンランド,スウェーデン,アイスランドの子どもの本の原作本と写真パネルの展示。北欧といえば、ヤンソン(ムーミンの)って人も多いだろうけど、僕的にはまずスウェーデンのリンドグレーン!やっぱりピッピが展示されてる。ピッピもいいけど(特に3冊目のラストシーンはせつない!)、カッレくんのシリーズが好き。その話しもまた別の機会かな。資料としてパンフレットを注文。受付カウンターにあったアンデルセン自作の自分の旅の記録や旅先で会った人の(いろんな有名人がいた)署名や記述があるアルバムの複製が興味深かった。満足してこの子ども図書館を後にする。

 本当にこの建物気に入りました。まだ明るい午後の早い時間に来て大正解。同伴者も同じような印象を持ったようで、また教え子でもつれてきたいなって言ったら、そうだろうねって顔してうなずいてました。

CasaBRUTUS特別編集 安藤忠雄×旅 総集編

CasaBRUTUS特別編集 安藤忠雄×旅 総集編

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: マガジンハウス
  • 発売日: 2006/10/10
  • メディア: 大型本


ベルギー王立美術館展と国際子ども図書館そしてエルミタージュ美術館展#2 [美術]

 さらに進むとフランドルの画家たちのデッサンが並んだコーナーになる。たいいていはペン画で、中には薄く青く水彩で色をつけたりしてるのもある。細かい風景の描写の過程がわかって面白い。 ヤン=ブリューゲル(父)のデッサンも二枚ある(『森の中の道』と『市場へ向かう村人たち』)。

 ちなみにこの人は、授業に出てくるあのブリューゲル(普通この人はピーテル=ブリューゲル(父)とかって表記される)の次男でそれこそ花の静物画を得意にしたことから“花のブリューゲル”って言われてる人。 ブリューゲル一族はいっぱいいるからちゃんと調べたいなぁ。西洋美術を調べる際に愛用しているサイトWeb Gallery of Artの画家リストでもずらっと6人並んでる。

  1. Brugel,Pieter the Elder (c.1525-1569)…これが一番有名なブリューゲル
  2. Brughel, Abraham(1631-1697)…5の息子
  3. Brughel,Amborosius(1617-1675)…4の息子。5の弟。
  4. Brughel,Jan the Elder(c.1568-1625)…1の次男。“花のブリューゲル”
  5. Brughel,Jan the Youger(1601-1678) …4の息子。
  6. Brughel,Pieter the Younger (1564-1638)…1の長男。“地獄のブリューゲル”

ブリューゲルについての厚い本が確か一冊買って積んであるなぁ。こんど読もう。

 素描のコーナーを抜けると、1800年代の絵画が並ぶ。1700年代の作品が無いのはたまたまなのかと思ったけど、説明によるとこの時期の作品はほとんど所蔵されてないらしい。頭の中のタイムマシーンを使って18世紀のベルギー(南ネーデルランド)の歴史を振り返る。スペイン継承戦争がらみでスペイン領からオーストリア領へと転換した時期か。で、ウィーン会議でオランダ領などと考えていくうちに、目に留まったのがルイ=ガレ(1810~87)という画家の『芸術と自由』という絵。バイオリンを持った男の半身像なんだけど、男の姿がワイルドなアウトロー的な雰囲気があり、それがタイトルと結びついて象徴的。壁の左端にはMARIAって文字が刻まれてる。何年の作品なんだろう。1849年か。頭の中でタイムマシンを作動する。仏七月革命の影響で1830年にベルギーが独立し、英に続いて産業革命が展開。で、1848年に仏の二月革命の余波。隣には、同じガレの『十字軍によるアンティオキアの占拠』という絵もある。こっちは歴史画か。カタログに拠るとこのガレは歴史画の方で認められてたらしい。そういえばあのダヴィッドって確かナポレオンの失脚後、ベルギーに亡命してた記憶がある。影響あるんだろうな。でも、全体的にロマン派の香りがする。さらにカタログに拠れば、この『芸術と自由』という作品は、クールベの『石割人夫』と同じ展覧会に出品されたらしい。ちょっと気になる画家だな。頭の隅に入れておこう。

 さらに足が止まったのが、アンリ=ド=ブラーケレール(1840~88)という画家の二枚の作品。一枚は『窓辺の男』(1874~76)、もう一枚は『トランプ遊び』(1887)。『窓辺の男』は室内なのに帽子をかぶって窓枠に手をかけて外を眺めている男の人の絵。室内の壁と窓の雰囲気が良い。なんとなくフェルメールを連想させる。『トランプ遊び』は丸テーブルをはさんでトランプをする姉と弟の図。家具や壁掛けなどの調度品の描き込みに目を見張る。やはりフェルメール的で、カタログにもフェルメールの名前が出てくる。二枚とも気に入る。

 

 さらに進んでいくと、“仮面と骸骨の画家”とか象徴主義で知られるジェームズ=アンソール(1860~1949)の『ロシア音楽』(1881)と同じくベルギー世紀末象徴主義を代表するフェルナン=クノップフ(1858~1921)の『シューマンを聴きながら』(1883,下図)が並んで飾られている。どちらも音楽をモチーフにした作品で、二人の不和の原因になった作品。構図としてはアンソールの方が整っているかもしれないが、ついクノップフの方が描いた女性の右手に引き付けられ、彼女の内面へと想像力を働かせてしまう。

 ついで足がとまったのが、ジャン=デルヴィルという人の『トリスタンとイゾルデ』(1887,下図)というモノトーンの作品。三角の構図。なぜかジョージ=フレデリック=ワッツの有名な『希望』(その下)を連想する。なぜだろう。

 

 さらにエミール=クラウスという画家。『陽光の降り注ぐ小道』(下図)という絵と『太陽と雨のウォータールー橋、3月』(さらにその下図)いう絵が二枚ある。この『陽光の降り注ぐ小道』っていう絵は最近本か何かで見た気がするなぁ。見覚えがあるけど思い出せない。どちらも印象派っぽい感じ。ちなみにウォータールー橋はロンドンのテムズ川に架かっている橋だけど、地名の由来はあのワーテルローの英語読みね。British Rock 4大バンドの一つKinksにWaterloo Sunsetという名曲もあります。ちなみにあとの3つはBeatlesとRolling StonesとWho。

 

 ついに最後の展示室へ。ちらっとマグリットが目に入るけど我慢して、先に他の展示品を見る。マグリットと同じベルギーのシュルレアリスムの画家であるボール=デルヴォーの作品が4枚。あんまりこの人の絵って惹かれないんだけど、その内の一枚、『夜汽車』という絵は気に入る。夜の青がとても綺麗。質感も良い。多分こういうのって印刷されたら伝わらないんだろうなぁとも思う。すでにこの展覧会を見ている母親もこの絵は気に入ったらしい。

 

 いよいよ目当ての一つ、マグリットの『光の帝国』と向き合う。かつてEbi高でブラバンの顧問をしていたTkiwさんなど僕の他にもこの絵のファンは少なくない。この間話題にした建築探偵のシリーズの中でもこの絵について触れた会話があったりもする。

 「だが桜井京介は、蒼の隣に足を止めてぼそりとひとこという。「マグリットか」「え--」「いつか竹橋で見たろう『光の帝国』」いわれてその絵を思い出した。ルネ・マグリットの『L'Empire des Lumieres』 空の色と木々の黒さと街灯の明かり。一目見て気に入った一枚だった。」(篠田真由美『玄い女神』講談社文庫p.45)

 本来同時に存在し得ない昼と夜を同時に描いたこの『光の帝国』だが、マグリットは同じタイトルと構図でたくさんのヴァリエーションを描いている。ヴェネツィアにあるペギー=グッゲンハイム美術館(この美術館は、大運河に面したそのロケーションが素敵。ロゴのマークも、あしながおじさんの挿絵みたいな感じで良い感じです。)で、そのヴァリエーションの一つを見たし、本やHPでもいろいろ見たけど、手前に水があるということと木の形や家とのバランスなどの点で、このベルギー王立にあるヴァージョンが一番好き。マグリットの絵は、一見絵ってわからないほど筆の跡とか感じさせないんだけど、現物の前に近づいて見ると、水に映った建物と街頭のところなど筆遣いがわかる。やっぱり好きだなこの絵。

 

 他にマグリットが2枚(『女盗賊』と『血の声』(下図))。これもなかなか。

 

 最後に目に留まったのがヴァレリウス=ド=サーデレールという人の『フランドルの冬』という絵(下図)。この人も知らない人だけど、この絵は明らかにブリューゲルの『雪中の狩人』をモチーフにした絵(さらにその下図)。何者だろ?

 

 最後までたどりついたので、もう一度最初に戻って、気に入った絵などをおさらいしながら見てまわる。満足。特に、期待の2枚はもちろんだけど、1800年代以降で知らない画家、あるいはあまりなじみの無い画家の作品で気に入ったものがあったのが収穫。やはりベルギーって小粒だけどあなどれないよなぁ。売店でためらうことなくカタログを購入、例によって絵葉書を尋常じゃない分量買い、さらに小物を少し。『光の帝国』の絵葉書が切れてしまったのか、輸入版だったのが少々残念。でも非常に満足した展覧会でした。いつかベルギーに行って、現地でもう一回見たいなぁ。でも、この後日本国内で二箇所開催予定があるから、それが終わってからだな。行くとしてもなどと半ば本気で考えつつ西洋美術館を後にしました。

 

 

 

 


ベルギー王立美術館展と国際子ども図書館そしてエルミタージュ美術館展 [美術]

 先日の16日。給料日兼木曜日で休みということもあり、回復程度8割の体調は無視して自分の高校の時の同級生と上野へ行きました。最初に訪れたのは一番の目当てであるベルギー王立美術館展(西洋美術館で開催)。すでにサンパチの中でも何人かは行って見てきてるらしい。ブリューゲル(父)によるものとされている『イカロスの墜落』とマグリットの『光の帝国』の二枚はどうしても見たくて、楽しみにしていた展覧会。

   ↑お目当ての2枚が看板になっていたベルギー王立美術館展;西洋美術館
 
 展示場に入るといきなり『イカロスの墜落』がある。勝手に想像していたよりも大きくない。やっぱりいいなぁ。画面の右下に足だけ見えるイカロス。それにまったく無関心の三人の人物という不思議な構図だけど、ブリューゲルの絵はやっぱり描かれる風景に不思議な魅力がある。細かい描写を見るために近寄ったり、全景を眺めるために離れたりしつつ鑑賞。フランドルの画家たちの風景画は青緑色が綺麗。

近くに展示されている息子の方のブリューゲルの『婚礼の踊り』もフランドルっぽいけど、やはり父の方が魅力的。

 ヤーコブ・ファン・スワーンネンブルク(1571~1638)というオランダの画家の『地獄のアイネイアス』は、右下に描かれた怪物の口の中に例の叙事詩『アエネイス』の場面を再現している。グロテスクな怪物と逃げ惑う群集図というのはヒエロニムス・ボッシュとかに共通するもの。この画家、知らない人だったけど、後でカタログを読むと、実はこの人レンブラントの師だったとありびっくり。へー。全然芸風違う。

 

 更に進むといかにもルーベンスらしい大きさ(でかいってこと)の『聖ベネディクトゥスの奇跡』があり、隣り合わせでドラクロワが同じを模写したものが並んでいる。やはり見比べると興味深い。ドラクロワの方は未完らしい。この絵の出来だけで客観的に見比べるならルーベンスに軍配をあげるんだろうね(上がルーベンス。下がドラクロワです)。

 その隣の壁には同時代の肖像画が並ぶ。ヴァン・ダイクの『イエズス会神父ジャン=シャルル=デッラ=ファイユ』とかは、地球儀や手にするコンパスなどのアトリビュートがいかにもイエズス会ぽい。

 

 別の壁にはこの展覧会のポスターなどになっているヤーコブ=ヨールンダス(1593~1678)の『裸の王様』クリスマス時期の民衆の祝祭における中世版・王様ゲーム(ミートパイの中に豆が入っていた人が王様役になる)の場面を描いたもの。猥雑なエネルギーが充満した絵。

 部屋を移動していく。知らない画家であるコルネリス・ハイスブレフツという17世紀の画家でデンマークの宮廷画家を務めていた人の『ヴァニタス』という絵が目に付く。壁にはめ込まれた戸棚とその周りの革紐に証文やら手紙やらハサミといったさまざまなものが差し込まれている静物画。ダリあたりと似た雰囲気もある一見、現代風の絵。ふーん。

 

 そのそばにはアドリアーン=ファン=ユトレヒト(1599~1652)というアントワープの画家の『オウムのいる静物』という静物画。この時期のこの地域の作品には多く見られるパターンだけど、手前の金銀細工の壷やら皿やらの金色がリアル。よく見ると左端には中国の明代ぽい磁器まである。うーん17世紀前半のオランダって感じ。静物画が並ぶなか、何枚かフランドル絵画っぽい風景画が並ぶ。その中では、ジャック=ダルトワ(1613~86)という人の『冬景色』が気に入る。雪景色の空に浮かぶ雲が、夕焼けでうっすらピンクに染まっているいるところが綺麗。この人も知らないなぁ。今度はアブラハム=ブリューゲル(1631~97)の『花と果実』。あのピーテル=ブリューゲル(父)の曾孫に当たる人物。ブリューゲルの孫とか曾孫とかの一族は花の静物画描くの得意とした人たちが多いんだけどこれもそんな一枚。

 


「見えない鎖」と読書の愉悦;天主堂に繋がる鎖 [本]

 実は久々に体調不良。先週の火曜日(7日)、さすがにダメだって思って出勤前に、売場近くの小さな病院に飛び込んでネオフィリン(気管拡張剤ね)を注射してもらう。週末にはそこそこ回復して店の近くの古馴染みのギリシア料理屋で遊んだりもしたんだけど、月曜日にはまたもと以下の状態。でまた火曜日の出勤前にネオフィリンを注射してもらうような状態。ネオフィリン注射してもらうのって3年ぶりぐらい。ここのとこ今年ノーベル文学賞を受賞したトルコ人作家オルハン・パムクの『わたしの名は紅』を読んでるんだけど、多数の語り手が入れ替わりつつ話を語っていく形式で、絵画の様式とかをめぐる抽象的な会話も多く、なかなかペースがあがらない。オスマン帝国下のイスタンブルを舞台にし、細密画家たちの間でおこった殺人事件をめぐっって話を進めていく設定で興味深い部分は多々あるんだけど、ページ数も600ページを越す本で、今みたいに体調不良の時にはちょっとヘビー。ということで浮気をして、11月10日に発売されたばかりの、篠田真由美『建築探偵桜井京介 館を行く』を読む。推理小説の人気シリーズの主人公である建築探偵・桜井京介というキャラクターと作家の篠田さんが日本の近代建築を訪ね紹介するという形式で雑誌に連載されていたものが単行本化されたもの。理工系の本がならぶ売場でなぜか一年間過ごすことなったなかで、併設されている美術書のコーナーと近現代の著名な建築や建築家たちを扱ったコーナーは数少ないたのしみの場(というかこれがないとかなりしんどい)。実は今年の隠れたテーマとして、東京の近代建築(洋館)を休日に訪れたりしてる。6月25日の記事で書いた岩崎邸もその一つでそれ以外にも二箇所ほど行っている(その記事も滞ってるけど)。そういう建築に対する興味のきっかけをつくってくれたのが、毎度おなじみ陣内秀信さんと、この建築探偵のシリーズだと思う。このシリーズに関してはストーリーよりも建築に関する薀蓄と、京介とその弟分の蒼や京介の相棒で旅行好きの風来坊の深春、江戸っ子でありながらイタリア美術史を選考する神代教授らの人間模様とその成長していく過程を読むのが楽しみ。そんな桜井京介や篠田さんの視点による建築ガイドだから、発売前からかなりこの本の発売は楽しみにしてたもの。

 この本で訪問している建築は、安藤忠雄の司馬遼太郎記念館から始まり、フランク・ロイド・ライト、ヴォーリズ、コンドルなど全部で10点。この建物をとりあげて欲しかったなぁという思いも多少はあるが、それはまぁ良い。ただ期待していた割にはちょっと……。というのが正直な感想。まずそれぞれの建築を紹介した写真がないこと。簡単なイラストがあるだけで物足りない。あとは内容的にももう少し突っ込んだ記載が欲しい。雑誌連載が初出という点でいろいろと制約があってしょうがないのかもしれないけど。参考図書などデータ面は一通り掲載されているので入門用にはいいかもしれない。それでも、写真が載っている本(6/25の記事で紹介しているような本家・建築探偵の藤森照信さんと写真家・増田彰久さんの本あたり)と併用して見たほうが良いと思います。

 じゃあ、なぜそんな本のことをわざわざ(イタリアの旅行記の続きも書かずに)書いているのかっていうと、この本の中で訪れている建物の一つに、長崎県の久賀島にある旧五輪教会という建物についての記述があったから。僕が無知なのかもしれないけど、それほど有名でもない建物で、なんでこの建物を訪問先に選んだのかなと思いつつページをめくっていたらこう書いてあった。

 「そもそもの始まりは一冊の写真集だった。雑賀雄二著『天主堂 光の建築』淡交社。書店で何気なく手に取って、開いて、そこに現れた写真の美しさにガツンとやられてしまったのである。木造のリブ・ヴォールト天井の下、ゴシックの複合柱の下に畳が敷き詰められ、そこにステンドグラスの七彩の光がおちる黒島教会の不思議な情景に。」

 この箇所に出会って思わずにやり。実は、この雑賀雄二さんの『天主堂 光の建築』という本。大浦を作るときに資料になるものをと思って、ネットで大浦が取り上げられている本をまとめ買いし(みんなに金の使い方に呆れられ)て教室に置いておいた数冊の本の一つ。大浦を作る役に立ったかどうかは別にして、あの時送られてきた本の中で、一番気に入った本がこれ。九州の天主堂を訪れて撮影した一つ一つの写真がとても綺麗。特に窓や開口部などを通して降り注ぐ光と影のコントラストがとても美しい写真が多い。添えられた文章も良い。あの頃のサンパチとつながる思い出の一冊という感じの本なのだ。たびたび言ってるように、本を読んでて思いがけないところで、思いがけないことに連鎖していくのが読書の醍醐味。この写真集はお薦め。良かったら図書館あたりで探して見てみてください。

建築探偵桜井京介 館を行く

建築探偵桜井京介 館を行く

  • 作者: 篠田 真由美
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/11/11
  • メディア: 単行本
 
灰色の砦―建築探偵桜井京介の事件簿

灰色の砦―建築探偵桜井京介の事件簿

  • 作者: 篠田 真由美
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2002/09
  • メディア: 文庫
原罪の庭―建築探偵桜井京介の事件簿

原罪の庭―建築探偵桜井京介の事件簿

  • 作者: 篠田 真由美
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2003/10
  • メディア: 文庫
桜闇―建築探偵桜井京介の事件簿

桜闇―建築探偵桜井京介の事件簿

  • 作者: 篠田 真由美
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1999/04
  • メディア: 新書
建築探偵の本編の中では、この三冊あたりが好きかな。最後の『桜闇』は短編集でこの本の中で幾つか取り上げられている二重螺旋の建築物に関しては、いつか書きたい。でもシリーズだから、読むんだったら最初の『未明の家』から読むべきでしょう。ちなみに『灰色の砦』は4作目でライトがネタ。『原罪の庭』は5作目でロンドンのキューガーデンがネタです。
 
天主堂―光の建築

天主堂―光の建築

  • 作者: 雑賀 雄二
  • 出版社/メーカー: 淡交社
  • 発売日: 2004/05
  • メディア: 単行本

 

 

 


世界史教師として……

 こんにちわ。そんなに世界史履るのも、履らせるのも嫌なのか!って思いながらこの数週間過ごしている、世を忍ぶ仮の本屋をしている世界史教師です。履修問題もそうだけど、自殺の連鎖のニュース。心が痛い。お願いだからみんな死なないで欲しいなぁ。どんなにアウェイな状況にあるように思えてもあなたの思いに耳を傾けてくれる人間はきっといるし、あなたの話を聞かせて欲しいって思っている人間はきっといる。みんながみんな敵なわけじゃないよって強く思います。
 履修問題については、たまたまメールを交わしたサンパチの数人の人や、現代文のIsさんとは意見を交わしました。「世界史楽しいのになぁ。……はぃはぃその愚痴もこんどきいてあげますよ。」とコメントしてくれた人。「ゆとり教育がいけないと思います」という人(確かに情報とか総合とかはね)。「世界史は視野を広げるための重要科目だと思う……私は世界史とって正解でした」という人。さらには、「今、わだしげとIszkが同じ職場にいたら、きっと二人して大騒ぎしてるんだろうな」という人も……。世界史が邪険にされるのも腹立つけど、「世界史も知らないで社会に出て欲しくない」などと訳わかんない文化人(特に政治家)とかに言われるのも、「お前に言われたくないよ」って感じだし、挙句の果てに「世界史の本でも読んでレポート書かせりゃいい」とか言われちゃうとそれもね。森君って昔から変わらずまったく下品だよな。「世界史の本でも…」の「でも」って何だよ!って思う(もちろん本読むのはいいことだけどさ)。そりゃみんな世界史やってくれりゃ嬉しいし、学んで欲しいと思うし、世界史学ぶことには大切な意味があるって信じてるけどさ、こんな形だけみたいなやり方で学ぶ世界史にいったい何の意味があるのさ!そんな風に世界史に出会って欲しくないよな。あれだけ時間かけて(アジ近まで入れると2年間で10単位!)世界史やってくれたあなたたちとかは、真面目に世界史やったかわいそうな人たち(←この言い方もどうなの?)ってことになるのかなとも思うしそうだったら申し訳ないとも思うけど、結局、学校や大人たちにふりまわされ、補習とかで世界史ますます嫌いにさせられちゃう生徒たちもかわいそう。だから、損とか得とか、役に立つとか役に立たないとかって観点で考えるの嫌さ。どんな事だって意識の持ちようでは無駄になることなんてないと思うし。
 だから、上に立つ人たちは本当にちゃんと考えて欲しい。教育って時間かかるし、ストレートにはいかないものなのだよ。まわり道だっていっぱい必要だし。教育のこと軽々しく上からいじりまわさないで。教育は、学校とか家庭とかで、じっくり向き合って、関わりあってやっていくものだと思う。楽してる教師がいるのも知ってるけどさ、真面目にやってる人もいるよ。で、真面目にやってる教員にすれば、またさらにこれでいじくりまわされて余計な会議や書類とかが増えて、生徒と関わりあったり授業の準備に費やす時間減っちゃうし、最終的にいちばん振り回されるのは子どもたちじゃん。教育基本法改正(←本当に正?)案を衆議院の特別委員会で強行採決した安部くん。本当に真剣に子どもたちのこと考えているの。こういうやり方がからよりよい教育が生まれてくると本当にそう思うの?そんなやり方して「愛国心」なんて生まれると思うの?次は憲法改正(←くどいけど本当に正?)?
 11月7日の 『週刊朝日』に掲載された『なぜ変える?教育基本法』(岩波書店)についての書評(→リンク)の中で、永江朗さんは 「まあ、愛国心を基本法に書き込むよりも、愛されるに値する国づくりを政治家に義務づける法律を作ったほうが手っ取り早いと思うけど。」って言ってる。同感。この書評の結びのはこういう文章。「基本法改正を叫ぶ人たちは、教育の荒廃は戦後民主教育に原因あり、といいたがる。しかし、歴史を振り返るとむしろ逆の事実が見えてくる。日教組がバッシングされ、学校現場の締め付けが厳しくなればなるほど荒廃する。あげくの果てが全国の進学校で起きた履修もれではないか。」共感。でも日教組も事無かれ主義にとらわれすぎ。もっとしっかりしろよって言いたい。そして自分自身にもね。みなさんもご意見をどうぞ!


新しいプログパーツ


モロッコの迷宮都市フェズの話 [旅行記]

 ちょっと前の日曜日(10/15)の午後、その夜の特番に合わせて、『鉄腕ダッシュ』(←結構この番組好きなんです)の昔の特番の再放送がやってたので、録画して懐かしく視ました。何でわざわざ録画までしたのかっていうと、この回の企画がとんでもないもので印象的だったから。「 アフリカ大陸発!1万円でどこまで行けるか!? 」 (オリジナルの放映は2005年の10/9公式HP過去ログへ)っていう企画名で、TOKIOのメンバーに1万円分のお金を持たせ、24時間でどこまで遠くに行けるかっていうのを競う、この番組得意のパターンの企画なんだけど、スタート地点を視て絶句!アフリカ北西岸のモロッコ(はい、ここで問題。モロッコは列強のアフリカ分割の過程の中でどこの植民地になった?)の古都フェズの旧市街の真ん中にある狭い広場。僕も、2001年にモロッコとスペインを訪れた時にフェズにも行き、他ならぬこの広場も通ったけど、いきなりこんなところに連れて来られておっぱなされても……っていうくらいの場所なんです。番組見た人はわかると思うけど、このフェズっていう町の旧市街は、陣内さんとかが指摘する迷宮性が高い地中海の都市の中でもナンバーワンの迷宮都市で町ごと世界遺産になっている。本当にどこに続くかわからない、通り抜けることが出来るかどうかも怪しいそういう細い路地が入り組んだ町。そんな路地を探索しながら、でくわす広場やモスクやマドラサ(学校)、スーク(市場)などを覗いて歩く楽しみに満ち溢れた町なんだけど、さすがに僕も半日英語ガイドを雇って探索したし、最初は一人で歩く勇気はないなぁ。人並みな方向感覚は持っているつもりだけど、一人で入って迷わず脱出する自信はないなぁ。実際、番組の中で、山口・松岡組、国分・長瀬組、そして城島(やっぱりこの人だけ単独になるのね)の三組に分かれて脱出を図ったものの、山口組と国分組は、ぐるぐるとさ迷った挙句、スタート地点の広場に戻ってしまったりと悪戦苦闘してました。同じく、このフェズを訪れた経験を持ち、Ebi版『電車男』の脚本家だけあって、しっかりこの番組もライブでしっかり視ていた現代文のIsnさんと、この企画ってとんでもないよねぇ、って職員室で意気投合した記憶があります。番組の過去ログのリンクを貼っておくんで興味があったらどうぞ。 何とかフェズを脱出した山口組や国分組が通った、モロッコからジブラルタル海峡をフェリーでスペインに渡るコースは、5年前の自分のコースともだいたい重なるし、録画した再放送を楽しんで視たんでちょっと記事にしてみました。迷宮都市フェズについて興味がある人は、前に紹介した陣内さんの本がお薦め。さらに詳しく知りたい人は陣内さんの弟子にあたる今村さんの本があります。よろしかったらどうぞ。

←TOKIOの5人が迷宮都市からの脱出を図ったスタート地点がここ。写真は2001年8月21日に僕が撮影したもの。確かこの空間に隣接してキャラバンサライ(対象宿)跡があった記憶がある。綺麗な装飾タイルで飾られているのは手洗い場。 
 

カラー版 地中海都市周遊

カラー版 地中海都市周遊

  • 作者: 陣内 秀信, 福井 憲彦
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2000/07
  • メディア: 新書

イスラーム世界の都市空間

イスラーム世界の都市空間

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 法政大学出版局
  • 発売日: 2002/11
  • メディア: 単行本
  •    ※この本は、かなり専門的。
迷宮都市モロッコを歩く

迷宮都市モロッコを歩く

  • 作者: 今村 文明
  • 出版社/メーカー: NTT出版
  • 発売日: 1998/02
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

いきものがかりの新譜発売! [音楽]

 あ、18日にいきものがかりのメジャー第3弾シングルが発売されましたね。Ebi高関係者として応援してますが、今回のコイスルオトメは、メジャーデビュー以前からCD(『人生すごろくだべ。』←このカップリング曲も良かった)としてリリースされていて、いきものがかりらしさに満ちた曲だし、カップリングの二輪花もなかなか良いし、僕らには懐かしいGet Crazyのカヴァーも、彼女の歌声に合ってると思うし、今の職場の人たちにも宣伝してます。彼女の直接の恩師である仲良しのNwさんや3年次の担任の世界史教師Iなんかと日曜日のVinaでのライヴを覗きに行けたら楽しいだろうけどな。仕事で駄目だなぁ。見に行った人がいたら報告して下さい。サイドバーにものせましたが、しつこくアマゾンのアフリエイトものっけちゃおうっと。

コイスルオトメ

コイスルオトメ

 
人生すごろくだべ。(DVD付)

人生すごろくだべ。(DVD付)

  • アーティスト: いきものがかり
  • 出版社/メーカー: インディペンデントレーベル
  • 発売日: 2005/05/25
  • メディア: CD
  • ※今、アマゾンで検索したらこのCDのユーズドって75,000円!の値段がついてるんだね。びっくり!


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